家具の寸法表記「W×D×H」は幅×奥行×高さの順で、設置判断に必要な順=図面言語に揃えてあります。形状ごとに記号は変わりますが(丸はΦ=直径、ソファ・椅子はSH/SD/AHで座面寸法、L字ソファは左右の向きを併記)、原理は同じ「判断に必要な数字から並べる」です。各記号は本文の早見表で一望できます。
そして家具選びの失敗は、表記を読み違えるより「測るべき場所を測っていない」ことで起きます。本記事では家具の形状ごとに違うサイズ表記のルールを、創業100年の無垢家具専門店RAM(ルームアート松井)が業界慣習に基づき解読したうえで、冒頭に搬入・配置で後悔しないための採寸チェックリストを用意しました。
家具を買う前に測るべきは、家具本体ではなく「家具が通る道」と「置く場所」です。気に入った家具のW×D×Hが分かったら、買う前に下の10項目を実寸で測り、家具の最大寸法と照らし合わせてください。搬入経路のどこか一箇所でも家具の幅を下回ると、玄関や階段で立ち往生します。
このうち最も見落とされがちなのが「エレベーターの内寸」と「廊下の曲がり角」です。部屋には置けても搬入経路で引っかかる大型テーブル・ソファは少なくありません。寸法に不安があるときは、各商品ページのお問い合わせから搬入経路ごと気軽にご相談ください。
W=Width(幅)、D=Depth(奥行)、H=Height(高さ)の頭文字を、W→D→Hの順で並べます。これは「壁の長さに収まるか→壁から手前へ何cm出るか→目線・天井との関係」という設置判断の順そのもので、図面の平面図→立面図の流れとも一致します。
| 家具 | W(幅) | D(奥行) | H(高さ) |
|---|---|---|---|
| テーブル | 長辺 | 短辺 | 床から天板 |
| 椅子・ソファ | 座面が並ぶ側 | 壁から手前 | 床から背もたれ上端 |
| 収納家具 | 正面(扉が並ぶ側) | 壁から手前 | 床から高さ |
図面・製造現場は mmを使用しており、家具カタログや商品ページは cm 表記が増えています。また両者は同じ寸法を別の単位で書いている場合もあります。その場合は桁数で見分けます。
厳密には3桁の数字(200や720など)はmm・cmどちらにも解釈できるグレーゾーンになるため、家具として現実的なサイズかどうかと組み合わせて判断します(例: ダイニングテーブルで「W200」なら200cm=2mが現実的で、200mm=20cmは小さすぎる)。
| 表記例 | 桁数 | 単位 | 実寸 |
|---|---|---|---|
| W1800 | 4桁 | mm | 幅180cm |
| W180 | 3桁 | cm | 幅180cm |
| W72 | 2桁 | cm | 幅72cm |
海外ブランドの家具では、幅をW(Width)ではなくL(Length=長さ)と書き、L×W×Hの順で並べることがあります。このときのWは日本でいうD(奥行)を指します。つまり同じ長方形テーブルでも、国内表記「W180×D85×H72」が海外表記では「L180×W85×H72」になるわけです。輸入家具や海外ECで「L」から始まる寸法を見たら、Lを幅・Wを奥行と読み替えれば国内表記と一致します。
同じ家具でも、紙カタログはmm・ECサイトはcmと、媒体によって単位や並び順が異なることがあります。数字だけが並んで記号が省かれている場合(例「1800×850×720」)も、迷ったら「壁→手前→上」の順序ルールに当てはめれば、左から幅・奥行・高さと読み取れます。単位は前述の桁数と現実的サイズで判断します。
テーブルの幅は何人で囲むかで決まります。6人で囲むサイズの目安は下の記事もあわせてご覧ください。
6人掛けダイニングテーブルの選び方|サイズ・形状・素材で失敗しない一台
外形W×D×Hだけでは座り心地は読めません。座面前端から床までのSH(座面高)、座面前端から背もたれ根元までのSD(座面奥行)、床から肘掛け上面までのAH(肘高)の3つを別建てで併記するのが業界慣習です。
| 記号 | 意味 | 椅子の標準 | ソファの標準 |
|---|---|---|---|
| SH | 座面高(床→座面前端) | 40〜43cm | 38〜42cm(ロー25〜35cm) |
| SD | 座面奥行(前端→背もたれ根元) | 40〜46cm | 55〜65cm(深掛け70cm以上) |
| AH | 肘高(床→肘掛け上面) | テーブル高−AH≧6cm | SH−AH差15〜20cm |
椅子選びで最も大切なのはSH(座面高)単体ではなく、テーブル天板の高さからSHを引いた「差尺(さじゃく)」です。差尺は27〜30cmが目安で、これより小さいと膝が天板につかえ、大きいと肩が上がって食事や作業がしづらくなります。たとえば天板高72cmのテーブルなら、SH42〜45cmの椅子が無理のない組み合わせです。椅子だけ・テーブルだけで選ばず、必ずセットで差尺を確認してください。
座面高の目安は、座る人の身長のおよそ1/4です。下の早見表で自分の身長に近いSHと、差尺27〜30cmを保てるテーブル高を確認できます。あくまで標準体型での目安なので、脚の長さや好みで微調整してください。
| 身長 | 目安SH(座面高) | 合うテーブル高(差尺27〜30cm) |
|---|---|---|
| 150cm前後 | 38〜40cm | 66〜68cm |
| 160cm前後 | 40〜42cm | 68〜70cm |
| 170cm前後 | 42〜43cm | 70〜72cm |
| 180cm前後 | 43〜45cm | 72〜74cm |
RAMでは一部の無垢チェアで座面高をオーダー対応しています。身長や体格に合わせて座面高を調整したい方は、各商品ページのお問い合わせからご相談ください。
肘掛けのある椅子は、AH(肘高)がテーブル天板の下に収まるかを必ず確認します。AHが天板下端より高いと、椅子を奥まで差し込めず通路をふさいでしまいます。目安は「テーブル高−AH≧6cm」。肘掛け付きの椅子をダイニングで使うなら、SHだけでなくAHと天板高の関係まで見ておくと失敗しません。
体格に合う一脚を選ぶ手順は、下の記事もあわせてご覧ください。
おしゃれなダイニングチェアの選び方|無垢材・北欧デザインの厳選5脚
キッチンカウンターやハイテーブルに合わせるなら、座面高の高いハイチェアが選択肢になります。RAMの無垢のハイチェアは座面高を確認しながら選べます。
高さを調節できるスツールなら、ダイニングからワークデスクまで座面高を変えて使い回せます。
カウンター用の椅子は座面高の選び方が独特です。高さの目安は下の記事もあわせてご覧ください。
カウンターチェアの選び方|高さの目安と疲れない木製チェアの基礎知識
丸テーブルなど円形家具は Φ(ファイ)=直径で、楕円は長径×短径×高さで表記します。Φは製図記号としての直径で、丸テーブルなら「直径120cm × 高さ72cm」のように表記します。「Φ」「φ」「⌀」はすべて同義です。
| 形状 | 必要寸法 | 表記例 |
|---|---|---|
| 円形 | 直径×高さ | 直径120cm×高さ72cm |
| 楕円 | 長径×短径×高さ | 長径180×短径90×高さ72cm |
| 矩形(参照) | 幅×奥行×高さ | 幅180×奥行85×高さ72cm |
円形は中心置きが基本のため、設置占有面積は Φ+椅子分(45cm×2+立つスペース90cm)で見ます。丸テーブルと長方形どちらが向くかは下の記事もあわせてご覧ください。
丸ダイニングテーブルで後悔する5つの理由|長方形との比較と選び方
RAMの無垢ラウンドテーブルは直径105〜150cmから選べ、家族の人数や部屋の広さに合わせて直径を決められます。Φ表記の実物を確かめたい方はこちらの商品ページをご覧ください。
L字や伸長式は共通の表記体系がなく、追加項目を備考で併記する慣例です。
| 形状 | 追加項目 | 例 |
|---|---|---|
| L字ソファ | 主部×カウチ部と左右の向き | 主部 幅240×奥行90cm+カウチ 幅160cm(右) |
| L字収納 | 2つの長さと向き | 幅160cm+幅80cm L型 |
| 伸長式 | 通常時・伸長時 | 幅150cm→幅210cm |
L字ソファの「右カウチ/左カウチ」は、座って見て肘掛けが右か左かではなく、部屋の入口から見た向きで決めます。カウチソファとL字の違いは下の記事もあわせてご覧ください。
無垢アームをカウチスタイルで組めるAlmaは、左右の向きを選んでL字に構成できます。実物の寸法と向きを確かめたい方はこちらの商品ページをご覧ください。
来客時だけ天板を広げたい方には、通常時と伸長時で幅が変わる伸長式テーブルが便利です。楕円天板の伸長式はこちらの商品ページで寸法を確認できます。
サイズ表記が読めても、商品ページの数字だけで暮らしへの収まりを判断しきれないことはあります。そんなときは各商品ページのお問い合わせから、採寸結果をもとに気軽にご相談ください。