「ラウンジチェアって、ふつうの椅子と何が違うの?」「イージーチェアやパーソナルチェアと同じもの?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。ラウンジチェアは名前だけが先に広まり、意味があいまいなまま使われがちな言葉です。この記事では、無垢家具専門店RAM(ルームアート松井)が、ラウンジチェアとは何かを、似た言葉との違いや選び方もふくめてやさしく解説します。
ラウンジチェアとは、背もたれが後ろに傾き、深くゆったり座れる一人掛けの椅子のことです。食事や作業のように何かをするための椅子ではなく、読書や音楽を楽しんだり、ただぼんやり過ごしたりと「座ること自体が目的」のリラックス用の椅子だと考えるとわかりやすいです。
「ラウンジ」はもともとホテルや空港でくつろぐ空間を指す言葉です。ラウンジチェアもそうしたロビーや待合スペースなど、人がくつろぐ場所で使われてきました。今では家庭にも広まり、自分だけのくつろぎの場所をつくる椅子として親しまれています。
大きな違いは「姿勢」です。食事用の椅子は背すじを立てて座りますが、ラウンジチェアは体を後ろに預けてくつろぐ形に作られています。具体的には次の3つが特徴です。
結論から言うと、この3つはほぼ同じ意味で使われています。どれも「一人でくつろぐための椅子」を指す言葉で、明確な決まりはありません。ただ、ニュアンスの目安を知っておくと選びやすくなります。
使い分けの目安は次のとおりです。厳密な定義ではなく、お店やメーカーによって呼び方は変わります。
呼び名の違いより、実際の座り心地や置く場所で選ぶほうが失敗しません。次の章から、具体的な選び方を順に見ていきましょう。
これらは「目的」がはっきり違います。ダイニングチェアは食事用、オフィスチェアは長時間の作業用で、どちらも体を起こして使う「作業のための椅子」です。一方ラウンジチェアは「休むための椅子」。同じ椅子でも役割が正反対だと考えるとわかりやすいです。
食事や作業に使うダイニングチェアの選び方は、下の記事で詳しく解説しています。
選ぶときは「どんな姿勢でくつろぎたいか」から考えると失敗しません。見た目だけで選ぶと、置いてみたら落ち着かなかった、ということが起こります。次の4点を順番に確認しましょう。
深くくつろぎたいなら、座面が低く背もたれの傾きが大きいものを選びます。逆に立ち座りのしやすさも大事にしたいなら、座面はやや高め、背もたれの傾きはゆるめが向いています。高齢の方や立ち座りが多い場所では、低すぎる椅子は使いにくいので注意しましょう。
素材は座り心地と部屋の印象を大きく左右します。木のフレームに布や革のクッションを合わせたタイプは、温かみがあり長く使えます。布は肌ざわりがやわらかく色柄が豊富、革は使い込むほど味が出ます。金属フレームのものはシャープでモダンな印象になります。
足を伸ばして本格的にくつろぎたいなら、オットマン(足のせ台)付きを選ぶと快適さが大きく変わります。オットマンに足を乗せると体がほぼ水平に近づき、長時間でも脚が疲れにくくなります。
意外と見落としがちなのが「置く場所に合うか」です。ラウンジチェアは背もたれを倒して使うため、見た目より広いスペースを必要とします。買う前に、置きたい場所の幅と、後ろや前にどれくらい余白を取れるかを測っておくと失敗しません。
オットマンを置く場合は、椅子の前にさらに50〜60cmほどの余白が必要です。狭い部屋では、使わないとき椅子の下や横に寄せられるコンパクトなオットマンを選ぶと圧迫感が出にくくなります。
選び方の軸が決まったら、最後はデザインの方向性で絞り込みます。ラウンジチェアは見た目の個性が強い家具なので、部屋全体の雰囲気と合うかどうかで満足度が大きく変わります。
木のぬくもりを生かした北欧スタイルは、ナチュラルな住まいに合わせやすく、長く飽きずに使えるのが魅力です。やわらかな曲線と木のフレームが特徴で、布や革のクッションと組み合わせて温かみのある空間をつくれます。床や他の木家具と色味をそろえると、自然にまとまって見えます。
ラウンジチェアには、デザイン史に残る名作と呼ばれる一脚があります。たとえばイームズ夫妻が1956年に発表したラウンジチェア&オットマンは、今も世界中で愛され続ける代表作です。名作は価格は上がりますが、流行に左右されず長く使えるため、一生ものとして選ぶ方もいます。座り心地は実際に確かめてから選ぶと安心です。
RAMでも、デンマークの巨匠カイ・クリスチャンセンが手がけた名作を日本の職人が復刻した「ペーパーナイフソファ(1人掛け)」を、実際に座って確かめていただけます。ナイフのように薄く削ぎ落とした無垢のアームが美しく、程よく傾いた背もたれと座面が、一人の時間をゆったり包み込みます。
名作を生んだ作り手という視点も、選ぶときの手がかりになります。たとえばデンマークのカールハンセン&サンは、Yチェアで知られるハンス・J・ウェグナーの椅子を半世紀以上つくり続けてきた名門です。流行に左右されない普遍的なデザインと、長く使えるつくりの良さは、一生ものの一脚を探す方にとって心強い基準になります。
カールハンセンの代表モデルや選び方は、下の記事で詳しく解説しています。
毎日体を預ける椅子だからこそ、フレームの素材は長い目で選びたいところです。長く使うことを考えるなら、無垢材のラウンジチェアという選択肢があります。無垢材とは、合板(うすい板を貼り合わせた木材)ではなく、木そのものを切り出して使った素材のことです。
無垢材は使い込むほどに色つやが深まっていきます。買ったときよりも数年後のほうが味わいが増すのが無垢材ならではの魅力です。小さな傷も家族の歴史としてなじみ、合板の家具のように表面がはがれて古びることがありません。
無垢材は樹種ごとに色合いや経年変化が異なります。樹種ごとの違いは下の記事で詳しく解説しています。
無垢材のフレームは、ぐらつきや傷が出ても削り直しや修理で直せます。クッションの張り替えにも対応できるため、座面がへたっても中身を入れ替えて使い続けられます。長い目で見れば、買い替えを繰り返すより経済的で、世代を超えて受け継げます。
無垢家具のお手入れや、座面の張り替え・修理については、下の記事で詳しく解説しています。
RAMには、無垢材のフレームでつくられたくつろぎの椅子があります。いずれも職人がていねいに仕上げた一脚で、座面の張り替えやパーツ交換に対応するものもあります。
「窓辺で本を読みたい日、テレビの前でくつろぎたい夜」など、気分で居場所を変えたい方に向く一脚です。座面に布ばねを使っているため驚くほど軽く、片手で持ち上げて好きな場所へ運べます。ウォールナットやオークの無垢材フレームに、ファブリックまたはレザーのクッションを合わせられます。
「ダイニングでもソファのようにくつろぎたい」という方に向く一脚です。背もたれが体を包み込む形で、長く座っても肩や腰の負担が少ないのが魅力です。座面の高さを39cmから48cmまで設定できるので、体格や使う場所に合わせて調整できます。ウォールナットやチェリーなど無垢材のフレームから選べます。
ソファとダイニングの中間のような、低めでくつろげる椅子です。格子(ラティス)状の背もたれが軽やかで、座面が低いため足を伸ばしてリラックスしやすいのが特長です。リビングのくつろぎコーナーにも、ゆったり過ごしたい食卓にも合わせやすい一脚です。ウォールナットやオークの無垢材から選べます。
ラウンジチェアは「休むための椅子」です。意味と特徴、似た言葉との違いを知っておくと、自分の暮らしに合う一脚を選びやすくなります。どんな姿勢でくつろぎたいかを思い浮かべながら、長く付き合える木の椅子を選んでみてください。
気になる家具は、東京・品川の店舗で実物をご覧いただけます。
無垢材の質感や座り心地を確かめてから、サイズ・素材を自由にオーダー。専門スタッフが無料でご相談を承ります。