「和の落ち着きは欲しいけれど、和室のように古くさくはしたくない」「無垢の木の家具で、今の暮らしに合う和の空間をつくりたい」
そんな悩みを持つ方は少なくありません。和モダンインテリアとは、ひとことで言えば「和の趣きがある部屋に、現代的なデザインの家具を合わせた状態」のことです。畳や障子といった和の空間と、すっきりしたデザインの家具。この2つが組み合わさることによって、和の落ち着きと現代の暮らしやすさが同居する空間が生まれます。
ポイントは「配色・素材・家具の高さ・照明」の4つの基本です。この4つを整えるだけで、賃貸でも一人暮らしでも、落ち着いた和モダンインテリアの部屋が作れます。まず全体像をお伝えすると、和モダンは特別な工事をしなくても、家具と色と光の選び方で作れるスタイルです。
この記事では、無垢家具専門店RAM(ルームアート松井)が、和モダンインテリアの作り方を、実例と無垢家具のコーディネートを交えて解説します。
和モダンインテリアとは、畳・障子・格子といった和の要素が残る空間に、現代的なデザインの家具を合わせて調和させたインテリアのことです。骨組みは「空間の和」×「家具のモダン」。和室にすっきりしたデザインのソファやチェアを置く、あるいは和の素材感を足した部屋に無垢材のテーブルを合わせる。入口は違っても、空間の和と家具のモダンが共存しているため、どちらも和モダンと呼べます。RAMでも、住まいづくりで人気のスタイルのひとつとして数多く手がけてきました。
和モダンの魅力は、和室のくつろぎと洋室の使いやすさを両立できることです。畳や障子の部屋は本来床座の空間ですが、毎日の食事や来客には、立ち座りがしやすいため椅子とテーブルのほうが快適です。家具はあとから入れ替えられるため、和モダンなら部屋の和の質感はそのままに、暮らしの道具だけを現代的にできます。「部屋は和のまま、家具は洋へ」が基本の考え方です。
和モダンは、時間が経つほど良さが増すスタイルです。無垢材は使い込むほど木の繊維が磨かれるため、色艶が深まり、購入時とは違う落ち着いた表情に変わります。
傷や色の変化を「味わい」として楽しむ考え方は、古いものを大切にする和の美意識(侘び寂び)と重なります。RAMが無垢材にこだわり、最大10年保証や修理・メンテナンスで長く使えるよう支えているのも、この「長く付き合う」という価値観からです。
和モダンの部屋は、配色・素材・家具の高さ・照明の4つを整えれば形になります。順番に見ていきましょう。
和モダンに合う配色は、ベージュや茶などのアースカラーを土台にするのが基本です。壁・床・大きな家具を自然の色でそろえ、藍色や深緑、えんじといった日本の伝統色を、クッションや小物で少しだけ効かせます。色数を絞るほど余白が生まれるため、落ち着いた大人の空間になります。
| 役割 | 目安の割合 | 色の例 |
|---|---|---|
| ベース | 約70% | ベージュ・生成り・白木 |
| メイン | 約25% | 木の色(茶)・黒・グレー |
| アクセント | 約5% | 藍・深緑・えんじ(日本の伝統色) |
藍や深緑のかわりに、えんじをひとつだけ効かせると、落ち着いた華やぎが生まれます。
和モダンらしさは、素材の質感で決まります。自然由来の素材は手触りに温もりがあるため、木・和紙・籐・麻(リネン)などを選ぶと、柔らかく温かみのある空気が生まれます。ソファやカーテンなどの洋家具でも、木や籐は和と響き合うため、その素材を選べば自然になじみます。
光沢はモダンに寄りすぎるため、ツルツルした素材は避け、マットで手触りのある素材でそろえるのがコツです。素材のトーンがそろうため、それだけで部屋全体に統一感が出ます。
ベンチやかご、ブランケットなどの小物まで自然素材でそろえると、統一感はさらに増します。
家具は、背が低いものと、直線的でシンプルな形を選ぶと和モダンにまとまります。床に近い低い家具は視線が上へ抜けるため、天井を高く感じさせ、部屋を広く見せます。日本の建築は水平と垂直のラインが多いため、脚やフレームがまっすぐな家具ほど和の空間に溶け込みます。素材は、和の空間に合う無垢材が第一候補です。畳や障子と同じ自然素材のため、デザインがモダンでも空間から浮きません。
ただし、床座にこだわる必要はありません。毎日の食事や在宅ワークには、姿勢が安定するため椅子とテーブルのほうが体は楽です。座面が低めのチェアや、木のフレームがすっきりした家具を選べば、椅子座(いすざ)でも十分に和モダンになります。
照明は、暖色(電球色)の光と、間接照明で陰影をつくるのが和モダンの決め手です。天井の一様な光は陰影を消すため、フロアランプやペンダントで手元と壁をやわらかく照らすと、和の落ち着きが生まれます。和紙や籐のシェードを通したやさしい光により、無垢材の木目はより美しく見えます。
ペンダントライトなら、シェード越しにこぼれる光が壁や障子に模様を描き、夜の表情が豊かになります。
和の空間になじむ木製ペンダントライトの選び方は、下の記事で解説しています。
ワンランク上の和モダンにするコツは、無垢材を主役にして、異素材を少し組み合わせることです。基本の4つを押さえたうえでこの一手を加えると、和モダンは一気に洗練されます。RAMが大切にしているのは、無垢材・ブラック・テキスタイル・アートの4つを掛け合わせる考え方です。無垢材と黒・布・アートは質感が対照的なため、この組み合わせが和モダンに深みと静かな緊張感を与えます。
黒は木の色を対比で強めるため、無垢材の温かみは黒を添えると引き立ちます。テーブル天板や建具、照明のフレームに黒を効かせると、木目のやわらかさが際立つため、重くなりがちな無垢材が軽やかに見えます。
RAMのコーディネート事例「素材で和を引き立てる」でも、無垢の家具に黒の収納や脚を合わせ、和の落ち着きとモダンなキレを両立させています。
和モダンの空間は、余白に少しだけ彩りを置くと生きてきます。おすすめは、天然ウールの手織りラグ「ギャッベ」です。原毛(染めていない自然な色)や苔のような緑のギャッベは、アースカラーの部屋になじみながら、床にやわらかな表情を加えます。
ラグは視覚的な面をつくるため、足元に敷けばリビングとダイニングの境目も自然に生まれます。ギャッベを長く楽しむためのお手入れ方法は、下の記事で解説しています。
壁にアートを一枚飾るのも、日常を格上げする和モダンらしい工夫です。木の温もりで壁面そのものを飾る木製ウォールライトという選択肢は、下の記事で紹介しています。
木製ウォールライトおすすめ|無垢の壁掛け照明でおしゃれな空間に
和モダンは、部屋の広さや住まいの形に合わせて取り入れられます。RAMがこれまでの住まいづくりで培ってきた経験をもとに、場面別のコツをコーディネート例とともに紹介します。
リビングとダイニングが一続きの間取りでは、素材と色をそろえて“ひとつの空間”に見せるのがポイントです。木の色が近いほど視線がつながるため、ソファ・テーブル・収納の色を近づけ、ラグで足元を区切ると、広がりと落ち着きが両立します。無垢材を基調にした和モダンともっとも相性が良いのが、このリビングダイニング一体型です。
賃貸や一人暮らしでも、和モダンは工夫次第で叶います。床に敷くだけの「置き畳」と、背の低い家具を組み合わせるのが手軽です。木や麻・籐は和の質感を持つため、壁や床を変えられなくても、それらのアイテムと暖色の間接照明を足すだけで、部屋の空気は和モダンに近づきます。
家具を少なめにして余白を残すと、視線が広がるため、狭い部屋ほど広く、落ち着いて見えます。まずは1〜2点、木や自然素材のアイテムから取り入れてみてください。
玄関や寝室は、ワンポイントだけ和を効かせると上品にまとまります。玄関には無垢材の飾り棚や一輪挿し、寝室には低いベッドと和紙のあかりを添えます。木の質感と暖色の光は和の記憶を呼び起こすため、空間全体を和にしなくても、それをひとつ加えるだけで、帰宅した瞬間や眠る前の時間が和モダンの落ち着きに包まれます。
寝室なら、低いベッドと和紙のあかりをひと組そろえるだけで、眠る前の時間が静かに整います。
ここからは、和モダンの部屋づくりに役立つRAMの無垢家具をご紹介します。創業100年の家具店として、北海道や国内の工房と組み、一点ずつ仕立てた家具です。
Onigiriは、名前の通りおにぎりのような丸みのある無垢材のダイニングテーブルです。角がないため人がすっと回り込め、コンパクトな空間にもやさしくフィットします。ウォールナットやナラなど無垢材から選べ、使うほどに色艶が深まります。3本脚ですっきりとした佇まいのため、畳の部屋にも合わせやすい一台です。
Captain Chairは、木を曲げて成形する「曲木(まげき)」の技術でつくる、RAM定番のチェアです。背もたれのゆるやかな曲線と直線的な脚により、和の空間に静かになじみます。座面の高さは38〜45cmの範囲でオーダーできるため、体格やテーブルに合わせて調整できます。ウォールナットとオークの組み合わせなど、無垢材の表情を選べます。
MW Chestは、水平のラインが美しい無垢材のチェストです。背が低く横に長い姿は視界をさえぎらないため、部屋を広く見せる和モダンのロースタイルにぴったりです。ウォールナットやエゾアッシュの本体に、レザーの取っ手をアクセントとして効かせています。幅60〜160cmまでサイズオーダーできるため、床の間や畳コーナーの脇にも合わせられます。
ギャッベは、イランの遊牧民が手織りするウール100%のラグです。RAMのギャッベ専門店MUSUBIには常時150枚以上がそろい、原毛や苔のような緑など、和モダンのアースカラーになじむ一枚が見つかります。天然ウールの素朴な風合いのため、無垢材の床や畳と好相性です。一点ものであるため、同じ柄は二つとありません。
以上、和モダンインテリアの作り方と、RAMの無垢家具を4点ご紹介しました。配色・素材・家具の高さ・照明の4つを整え、無垢材を主役に異素材を少し添えるだけで、今の暮らしに合った和の空間が生まれます。素材やサイズはオーダーで調整できますので、間取りや暮らしの形に合わせてお選びください。
気になる家具は、東京・品川の店舗で実物をご覧いただけます。
無垢材の質感や座り心地を確かめてから、サイズ・素材を自由にオーダー。専門スタッフが無料でご相談を承ります。