「ギャッベとキリム、ペルシャ絨毯って、見た目は似ているけれど何が違うの?」——手織りラグを選ぶとき、多くの方が最初にぶつかる疑問です。
結論から言うと、この3つは「織り方・柄・使い方」で違います。ざっくり分けると、キリムは平織りで薄く軽い、ギャッベは厚いパイル(毛足)で素朴、ペルシャ絨毯は細密な織りで華やか、という個性があります。
この記事では、創業100年の家具専門店RAM(ルームアート松井)が、3種類の手織りラグの違いと選び分けをわかりやすく整理し、それぞれどんな人・部屋に向くかまで解説します。
まずは3種類の個性を一覧で押さえましょう。産地はイランやトルコなどの地域にまたがり、織る人と技法が異なります。
| 種類 | 織り方 | 柄の傾向 | 向く使い方 |
|---|---|---|---|
| キリム | 平織り(毛足なし・薄い) | シャープな幾何学模様 | 重ね敷き・壁掛け・軽く扱いたい |
| ギャッベ | 厚いパイル(手結び) | 素朴な生命の樹・動物 | 床にどっしり・素足で温かく |
| ペルシャ絨毯 | 細密な手結び(高密度) | 曲線的な花・メダリオン | 華やか・フォーマルな空間に |
キリムはトルコやイランの遊牧民が織る平織りのラグ、ギャッベはイラン南部ザグロス山脈のカシュガイ族など遊牧民が織る厚手のラグ、ペルシャ絨毯はタブリーズなどイラン都市部の工房で織られる細密な絨毯、というのが産地のおおまかな違いです。
キリムとギャッベの最大の違いは、毛足(パイル)があるかどうかです。キリムは経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を平らに織り込む「平織り」で、毛足がなく薄いのが特徴です。両面を使えて軽く、壁掛けにもできます。
一方ギャッベは、一結びずつ毛足を作る「パイル織り(手結び)」です。だから厚みがあり、素足で踏むと温かく、床にどっしりと落ち着きます。同じ手織りでも、平織りのキリムとは足ざわりも重さもまったく違います。
なお「手織りと機械織り(ギャッベ風ラグ)の違い」は、また別の切り口です。ギャッベそのものの成り立ちや、機械織りとの見分け方を知りたい方は、下の記事で解説しています。
ギャッベとペルシャ絨毯は、同じ手結びでも「密度」と「柄」の方向性が逆です。使い分けの軸は、素朴で温かい雰囲気を取るか、華やかでフォーマルな雰囲気を取るかにあります。
ペルシャ絨毯は結び目が非常に細かく、曲線的な花模様やメダリオン(中央の大きな飾り)を多色で織り込みます。クラシックで格式ある空間に向きます。ギャッベは色数を絞った素朴な柄で、無垢材の家具やナチュラルな部屋になじみ、カジュアルに使えます。
3種類の向き・不向きを、暮らし方から整理しました。迷ったら「部屋の雰囲気」と「使い方」から選ぶと外しにくくなります。
ギャッベに絞ると、同じギャッベでも織りの細かさで種類が分かれます。RAMのギャッベ専門店MUSUBIでは、織りの細かい順に「ルリバフト|ジャマール|サフ|アバド」と呼び分けています。
織りが細かいルリバフトほど柄の輪郭がくっきり出て、価格も上がります。素朴でおおらかな柄が好きならサフやアバド、模様の精緻さを求めるならルリバフト、と好みで選べます。
選び分けのイメージがつかめるよう、ギャッベを取り入れたRAMの事例を紹介します。下の写真は、リビングに赤いギャッベを主役として合わせた実際の例です。
ペルシャ絨毯のような華やかさではなく、素朴でおおらかな雰囲気にまとめたい——そんな空間にギャッベはよく合います。段染めの色の濃淡が、シンプルな家具の中でほどよいアクセントになります。
最後に、RAMのギャッベ専門店MUSUBIで扱う一点ものから、柄の個性が分かる4枚を紹介します。いずれもウール100%・手織りで、生命の樹などギャッベらしい素朴な柄が魅力です。
234×167cmの「ジャマール」織りで、生命の樹をおおらかに織り込んだ一枚です。染めていない羊毛の色を生かした素朴さが、ギャッベならではの魅力です。
232×175cmの「サフ」織りで、温かみのある赤に小さな生命の木を並べた一枚です。ナチュラルな部屋のアクセントにも、床にどっしり敷く主役にも使えます。
204×152cmの扱いやすい大きさで、落ち着いた青が空間を引き締めます。木の色が多い部屋に青のギャッベを差すと、キリムやペルシャ絨毯とは違う穏やかなコントラストが生まれます。
遊牧民の守り神ライオンを織り込んだギャッベを集めた特集です。ルリバフトからアバドまで織りの細かさが選べるので、柄の精緻さと価格のバランスを見比べたい方の入口になります。
以上、キリム・ギャッベ・ペルシャ絨毯の違いと、ギャッベの選び分けを紹介しました。素朴で温かく、無垢材の家具になじむ手織りラグを探しているなら、ギャッベが有力な選択肢になります。RAMでは織りの種類や色柄の相談にも対応しています。
気になる家具は、東京・品川の店舗で実物をご覧いただけます。
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