結論から言えば、伸長式(しんちょうしき)ダイニングテーブルの一番のメリットは、1台で普段のコンパクトさと来客時の広さを両立できることです。
まず呼び方から整理します。「伸縮テーブル」「伸縮式ダイニングテーブル」「伸びるテーブル」、英語では extension table(エクステンションテーブル)とも呼ばれます。畳む折りたたみテーブル、高さが変わる昇降式テーブルとは別物です。
デメリットの多くは、買う前の確認と買ったあとの工夫で防げます。1924年創業の無垢家具専門店RAM(ルームアート松井)が整理します。
伸長式を選ぶ理由は、1台で二つの広さを持てることに尽きます。
人数に合わせて天板の幅を変えられるのが、伸長式の核心です。後半で紹介するCH337なら、基本の140cmが伸長板1枚で200cm、2枚で260cm。1人あたり幅60cmで数えるため、4人・6人・8人と席が増えます。
縮めておけるため、まわりに通路が残ります。大きな天板を置きっぱなしにすると椅子を引くたび壁や家具にぶつかりますが、広さが要る日だけ広げれば済みます。
来客用にもう1台買い足したり、折りたたみ机を借りたりせずに済みます。高さも質感もそろうため、来客の席だけ間に合わせになりません。
子どもが増えても独立しても、引っ越しで部屋が変わっても、天板の幅を合わせ直せます。無垢材は手入れをしながら経年変化を楽しむ家具のため、広さが変わるたびに買い替えずに済みます。
デメリットが表に出るのは、伸ばしたあとを想像せずに買うためです。
伸長式でも、伸長板が本体価格に含まれないことがあります。本体だけを見て予算を組むとあとで差が出るため、見積もりは「板は何枚足せて、1枚いくらか」まで含めた総額で見比べれば防げます。
中央に板を足すタイプ最大の盲点です。畳半畳ほどの板を、傷つけずに置く場所が要るためです。定番はベッドの下やクローゼットの隙間で、平らに寝かせて布をかけておけば表面を守れます。
板を内蔵したスライド式や、板が本体に付いたバタフライなら置き場所が要りません。
伸ばした天板の寸法だけを測ると椅子を引けない部屋になるため、通路は2方向で考える必要があります。
人が座る長辺側はテーブルから壁まで90〜120cm(椅子の奥行き45cm+立ち上がり45〜75cm)、出入りに使う短辺(端)側は60〜80cmが目安です。幅260cmまで伸ばすなら、幅方向は約380〜420cm要ります。
長辺側が足りないなら、伸ばす日だけ椅子をベンチに替える手もあります。背もたれのないベンチは端から座れ、後ろへ引く動作が要りません。RAMには幅45cmから210cmまでオーダーできる無垢材のベンチがあります。
伸長板が本体と別素材のことがあります。無垢材は大きな板ほど重く、湿度で伸び縮みするため、あとから足す板には寸法の安定したMDFを使う設計が名作にもあります。
欠点というより、動く素材を扱ううえでの割り切りです。来客の日はテーブルクロスを掛ければ継ぎ目ごと隠せます。
伸長式には受注生産で半年以上かかるものがあります。納期は在庫品か受注生産かで変わるため、まず確かめ、使いたい日から逆算して発注すれば間に合います。
伸ばし方は大きく3つあり、方式で置き場所と手間が変わります。
天板を左右に開き、隙間へ別の板をはめ込む方式です。天板を厚く作れるため無垢材の名作に多く、板の置き場所が要ります。
天板の両端の「垂れ板」を、人が増えたら持ち上げ、蝶の羽のように開く固定具で支える方式です。置き場所に困りませんが、支えるのが金具のため重さに強くありません。
天板をレールに沿って引き出し、下に収まった板が隙間へ出る方式です。板を持ち上げずに済むため扱いやすく、レールの精度が使い心地を決めます。
伸長式丸テーブルや楕円(オーバル)は角がないため回り込みやすく、伸ばしても圧迫感が出にくい形です。
丸ならではの弱点は下の記事にまとめています。
買う前の確認は、この5つに絞れます。
人数別に必要な幅は、下の記事で解説しています。
無垢材の天板で伸長式を探すなら、CH337が候補になります。
デンマークの家具メーカーCARL HANSEN & SON(カールハンセン&サン)の製品で、ハンス・J・ウェグナーが手掛けたテーブルコレクションの1台です。
楕円形の天板と、床に向かって細くなるテーパード(先細り)の丸脚が特徴で、本体の天板と脚は無垢材です。
天板の中央を開いて追加天板をはめ込むため、CH337は基本140cmが1枚足して200cm、2枚足して260cmになります。
RAMが扱うのはこのシリーズの3モデルで、ひと回り大きいCH338は200cmから260cm・320cm、CH339は240cmから300cm・360cmの構成です。
奥行115cm・高さ72cm・天板の厚み2.5cmは、どのサイズでも共通です。追加天板は幅60cm・奥行き115cmで、伸長板は別途購入です。
天板と脚の樹種は、ウォールナット材・オーク材・マホガニー材の3種類。仕上げはオイルで、オーク材にはホワイトオイルもあります。
仕様欄の素材は「天板:無垢材(追加天板の1部はMDF)」で、追加天板にはライトグレーとダークグレーのMDFも用意されています。買う構成の伸長板が無垢かMDFかは、見積もりで確かめられます。
商品ページからお問い合わせいただければ、部屋に合うサイズと枚数をご提案します。
気になる家具は、東京・品川の店舗で実物をご覧いただけます。
無垢材の質感や座り心地を確かめてから、サイズ・素材を自由にオーダー。専門スタッフが無料でご相談を承ります。