ソファなしのリビングでくつろぐにはどうするか。答えは、家族がくつろぐ場所をダイニング側へ移すことです。ソファを置かなくても、それだけで快適に過ごせます。
ソファを置くと通路が狭くなる、置き場所がない、決めきれない。事情はさまざまですが、外せば必ず同じ問いが残ります。食事が終わったあと、家族はどこに座るのか。創業100年の家具専門店RAM(ルームアート松井)が、その受け皿を椅子の側でつくる方法を解説します。
座る場所ならダイニングチェアがありますが、その多くは食事の時間だけを想定した形です。座面は浅めで、背もたれは腰から背中の中ほどまで。食べやすい代わりに、寄りかかって長居する用途には向きません。
普通のダイニングチェアなら、食後はすぐリビングへ移動することになります。ソファがない部屋では、その移動先がありません。床に座る、寝室へ行く、どこにも落ち着かない、という形になります。
ソファの代用に座椅子やビーズクッションを足せば、そのぶんの床が埋まります。どのみち必ず置くダイニングチェアのほうを長く居られる椅子に替えれば、失う面積はゼロです。
RAMはこの種の椅子をソファチェアと呼びます。食卓に寄せて使える寸法のまま、座面と背にふっくらしたクッションを持たせ、肘までひと続きにした形です。一番の魅力は、ダイニングなのにリビングみたいにくつろげることです。食べ終わってもそのまま会話を続けたり、タブレットを見たりできます。
別にくつろぐ1脚を置ける広さがあるなら、椅子の種類が変わります。あわせて読みたい記事です。
ラウンジチェアとは?イージー・パーソナルチェアとの違いと選び方4つのポイント
写真の印象では判断しにくいので、座面・背もたれ・肘・脚元の4か所を商品ページのどこで見るかを先に決めてから椅子を選びます。
| 見る場所 | 確かめること | 長く居られる目安 |
|---|---|---|
| 座面 | 幅と奥行き(仕様欄のW・D) | 斜めに座っても体がはみ出さない |
| 背もたれ | 背中が当たる面積とクッションの厚み | 寄りかかると沈み、背中全体が触れる |
| 肘 | 腕の置き場があるか(仕様欄のAH) | 肘を置いても肩が上がらない高さ |
| 脚元 | 幕板の有無と脚の太さ | 座面の下に床が見えている |
いちばん効くのは座面の広さです。座面が広ければ、背もたれに寄りかかっても斜めに座っても体が収まり、自由な体勢でゆったり過ごせます。肘も食事用では省かれがちで、仕様欄にAH(肘の高さ)があるかが長居を想定した椅子かの目印です。
幕板がなく細い脚で床が見えていると、視線が床まで抜けるため、同じ面積でも部屋が詰まって見えません。ソファを置かない理由が「狭いから」である以上、外せない条件です。
テーブルの天板と椅子の座面の高さの差を差尺(さじゃく)といいます。差尺の目安は用途で変わります。食べやすい姿勢を保つなら250〜300mm、そのうち座にクッション性があって沈むものは250〜270mmです。一方、軽食や飲み物を楽しみながらゆったりくつろぎ休憩するなら、理想の差尺は150〜250mmになります。
標準的なダイニングテーブルは、天板の高さが70cmから72cmです。あとは引き算です。
| 天板の高さ | 差尺|座面高47cmの椅子 | 差尺|座面高50cmの椅子 |
|---|---|---|
| 70cm(標準の下限) | 23cm | 20cm |
| 72cm(標準の上限) | 25cm | 22cm |
| 75cm | 28cm | 25cm |
座面高47cmの椅子を標準の70cmの天板に合わせると、差尺は23cmです。食事用の250〜300mmをわずかに下回り、くつろぎ用の150〜250mmの上端に入ります。つまり食事もできて、そのまま居座ることもできる位置です。天板が72cmなら差尺25cmで、2つの帯がちょうど重なります。
座面高を上げると差尺は縮みます。座面高50cmなら同じ天板で3cm小さくなり、くつろぎ側にさらに寄ります。いま使っている椅子の座面の前端の高さを床からメジャーで測り、天板の高さから引いてみてください。
ソファなしにして後悔するかどうかは、あとから決め直せるかで決まります。先に椅子を良くしておけば、あとでソファを足しても、その椅子はそのまま食卓に残ります。順番が逆だと、ソファで通路が狭くなってから椅子を選び直すことになり、先に買った椅子が無駄になります。
ソファとソファチェアは二者択一ではありません。RAMの住まいの事例にも、両方が同じ部屋に入っている例があります。置ける広さがあれば併用し、置けないなら食卓側だけで完結させる。
ソファを置く側に決めたときの選び方は、下の記事で解説しています。
座面の広さ・背もたれ・肘・脚元の4条件を満たし、差尺もくつろぎの帯に入るのが、RAMのソファチェア「LDM Chair」です。
ダイニングに置けるソファチェアで、部材はすべて交換できます。コロンと丸いボディが体を包み込み、ふっくらしたクッションがお尻と背中をやさしく受け止めます。
1人掛けのノーマルタイプは幅66cm・奥行き55cm・高さ72cm・座面高47cm、肘の高さ60〜66cm。座面高50cmのハイタイプと、幅124cmの2人掛けもあります。奥行き55cmは普通のダイニングチェアと変わらないため、いまの天板の下にそのまま収まります。本体はファブリックかレザー、脚はクロームメッキ・シルバー・ブラックから、座面の硬さはノーマルとハードから選べます。
脚が細いスチールなので足元がすっきりして、掃除もラクにできます。木を使っていないので、ウォールナットでもオークでも一枚板でも、いま使っている天板になじみます。受注生産で、納期は約1ヶ月です。
くつろぐ場所を食卓側へ移し、そこに置く椅子を長く居られるものにすれば、置けなかったはずの1台ぶんの床が部屋に戻ります。1階・地下・屋上・別館を合わせて600㎡のショールームでも、遠方の方は商品ページのお問い合わせからでも、いまの天板の高さをもとに確かめられます。
気になる家具は、東京・品川の店舗で実物をご覧いただけます。
無垢材の質感や座り心地を確かめてから、サイズ・素材を自由にオーダー。専門スタッフが無料でご相談を承ります。