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ギャッベとは?一般的なラグとの違い・模様の意味・選び方をわかりやすく解説

 

「ギャッベって最近よく聞くけど、普通のラグと何が違うの?」

 

 

インテリア雑誌やSNSで見かける色鮮やかな絨毯「ギャッベ」。気になってはいるものの、一般的なラグとの違いがわからず、価格の高さや高価なゆえの汚れへの不安などから、購入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。この記事では、創業100年の家具専門店RAM(ルームアート松井)が、ギャッベの基礎知識から一般的なラグとの違い、模様に込められた意味までわかりやすく解説します。

 

 

 

ギャッベとは — 遊牧民が織る手仕事の絨毯

 

 

ギャッベはペルシア語で「目が粗く毛足が長い絨毯」を意味する手織りの敷物です。イラン南西部のザグロス山脈一帯に暮らす遊牧民・カシュガイ族の女性たちが、家族の幸せを願いながら一枚一枚織り上げます。

 

 

カシュガイ族 — 羊と暮らす遊牧の民

 

 

カシュガイ族は、テュルク系を中心とした部族連合で、中央アジアからイランへと移動してきた人々とされています。現在もファールス州の高原地帯で羊とともに遊牧生活を送っています。彼らにとってギャッベは装飾品ではなく、テントの中に敷いて家族を守る実用品でした。だからこそ、踏圧に強く耐久性に優れた構造になっています。

 

 

手紡ぎ・草木染め・手織り — すべてが手仕事

 

 

伝統的なギャッベは、原料の調達から完成まですべての工程が手作業です。

 

 


  • 手紡ぎ:自分たちの羊から刈り取ったウールを手で紡ぐ。脂質が多く直毛の羊毛を使うため、しなやかで光沢のある糸になります

  • 草木染め:ローナス(茜)の根で赤、藍で青、ザクロの皮で黄色など、天然の植物から色を得ます。化学染料にはない深みと温かみが特徴です

  • 手織り:縦糸に1本ずつ結び目を作り、横糸で固定していく「結びの技法」。1枚を織り上げるのに数ヶ月から1年以上かかります


  •  

 

 

2010年にはファールス州の伝統的な絨毯織りの技術(ギャッベを含む)がユネスコ無形文化遺産に登録されました。

 

 


  草木染めによるギャッベの鮮やかな色合い
 
グリーンの地に生命の樹が織り込まれたギャッベ

 

 

ギャッベと一般的なラグはどこが違う?

 

 

ラグは「敷物」の総称で、ギャッベはその中の一種です。では、量販店で売られている一般的なラグとギャッベは何が違うのか。その違いを3つの観点で整理します。

 

 

構造の違い — 手織りと機械織り

 

 

ギャッベは1本1本の糸を結んで織る「手結び」の構造です。どの方向から引っ張っても糸が抜けにくく、部分的に擦り切れても全体がほどけることはありません。一方、機械織りのラグは針で刺した毛足を裏面の糊で固定する構造が多く、経年で糊が劣化すると毛足が抜け落ちることがあります。

 

 

素材の違い — 天然ウールと化学繊維

 

 

ギャッベの主な素材は天然ウールです。シルクを織り込んだものもありますが、基本はウールが主体です。ウールは公定水分率15%と綿の約2倍の吸湿性を持ち、湿度が高い日は湿気を吸い、乾燥した日は放出する「天然の調湿機能」があります。さらに繊維表面の天然油脂(ラノリン)が汚れの浸透を防ぎます。化学繊維のラグにはこうした機能はありません。

 

 


  天然ウールの毛先(左)と化学繊維の毛先(右)のクローズアップ比較。ウールは柔らかくカールした自然な質感、化学繊維は均一で直線的な人工的な質感
 
天然ウール(左)と化学繊維(右)の毛先の比較(AI生成)

 

 

耐久性と価格の違い

 

 

ギャッベは適切な手入れで20年以上使えるといわれています。玄関マットサイズで2〜6万円、リビングサイズで数十万円と一般的なラグより高額ですが、年単位のコストで考えると「使い込むほどに風合いが増す長い付き合いの絨毯」です。

 

 

ギャッベの模様と色に込められた祈り

 

 

ギャッベの魅力は実用性だけではありません。一枚一枚に織り込まれた模様と色には、遊牧民の祈りや願いが込められています。

 

 

ギャッベの文様一覧 — 24のモチーフと込められた祈り

 

 

ギャッベには動物・植物・幾何学模様など多彩な文様が織り込まれています。手織りのギャッベは同じモチーフでも色の出方や織りの表情が一枚一枚異なり、まったく同じものが存在しない「自分だけの一枚」を選ぶ楽しさも魅力です。代表的な24の文様とその意味・由来を一覧でまとめました。

 

 
写真 文様 意味 由来
生命の木の文様 生命の木 長寿・健康、子供の成長を願う 砂漠の大地に立つ大樹は生命力の象徴
鹿の文様 鹿 家庭円満 子供を寄り添わせ育てる習性より
羊の文様 羊 子孫繁栄 羊を育てる遊牧民にとって、家族が増えることは喜び
ラクダの文様 ラクダ 富と成功の象徴 荷物を運ぶ動物。運ぶだけの荷物をたくさん持っていることから
窓・井戸の文様 窓・井戸 幸せ・恵みの入り口 家の窓から風が舞い込み、悪いものを締め出す。井戸から水が湧き出ることから
花の文様 花 豊作・豊穣、美しいものへの憧れ 春の到来とともに美しく咲き乱れる花のイメージから
星の文様 星 愛情 満天の星空。イスラエル王ダビデの星
メダリオンの文様 メダリオン 厄除け、邪視払い 太陽のように温かく見守り、邪視や悪い思想・病気など怖い存在から守ってもらうため
人の文様 人 子孫繁栄、子宝を願う 家族がたくさんいることが財産であり、末代まで続く願いでもある
鳥の文様 鳥 神の遣い、幸せをもたらす 季節が変わり春の訪れと共に飛んでくることから
クジャクの文様 クジャク 美の象徴 美しい羽根を持ち、気品のある佇まいより
ホマ鳥の文様 ホマ鳥 幸せが訪れる 紀元前の遺跡にもある頭が二つある伝説上の鳥。イランエアーのマークでもある
テントの文様 テント 家族 厳しい遊牧から戻り、家族が温かく迎えてくれる存在から
ジグザグの文様 ジグザグ 水、川の流れ 縦のジグザグは川を、横のジグザグは湖や沼を表す
Xの文様 X 永遠 終わることなく未来永劫続く思い。家族の幸せ・健康・美など続いてほしいという願い
矢じりの文様 矢じり 期待、憧れ 放たれた矢は力強く、無限の力があり、その先の期待や憧れの気持ちから
ライオンの文様 ライオン 権威・力の象徴 百獣の王。部族の長やお父さんのために織られた
サソリの文様 サソリ 厄除け 怖いものを遠ざけ守ってもらうことから。龍が地上に降りた姿とも
オオカミの足跡の文様 オオカミの足跡 厄除け 怖いオオカミを遠ざけ守ってもらうことから
魚の文様 魚 躍動感、生命力 自由に泳ぎ回り、遊牧民にとって特別な存在
ケルマックの文様 ケルマック 厄除け フックをかけ、悪いものを閉じ込めたり、龍や小さな虫を表す
パイカンの文様 パイカン 厄除け オオカミの牙や太陽のギザギザを表す
太陽の文様 太陽 再生・不死 何度も地上より昇る存在から
柳の木の文様 柳の木 輪廻転生 植物(柳の木)の生命サイクルから

 

 

ギャッベを選ぶとき、気に入った色やデザインで選ぶのはもちろんですが、文様の意味を知ると「この一枚」への愛着がさらに深まります。

 

 

草木染めが生む唯一無二の色彩

 

 

ギャッベの色は天然の植物から生まれます。

 

 


  • 赤:ローナス(茜)の根から。深みのある落ち着いた赤になります

  • 青:藍(インディゴ)で染色。お湯に浸した後、空気に触れることで青く発色します

  • 黄:ザクロの皮や玉ねぎの皮から。温かみのある黄色です

  • 緑:青と黄の重ね染めや、ジャシールなどの植物染料によって表現され、自然を感じさせる穏やかな緑に仕上がります

  • 白・茶:羊の毛色をそのまま活用。染めない自然のままの色です


  •  

 

 

天然染料ならではの「アブラッシュ」と呼ばれる微妙な色ムラも、ギャッベの味わいとして高く評価されています。経年とともに色が馴染み、深みを増していくのも草木染めの特徴です。

 

 


  藍染めのブルーとアイボリーのグラデーションに小さな動物モチーフが散りばめられたギャッベ
 
藍染めのブルーとアイボリーが美しいギャッベ

 

 

暮らしの中のギャッベ — コーディネート実例

 

 

ギャッベは伝統工芸品でありながら、現代のインテリアにも自然に溶け込みます。RAMの納品事例から、ギャッベを取り入れたコーディネートを紹介します。

 

 

リビングの主役として

 

 

リビングにギャッベを敷くと、空間の印象が大きく変わります。無垢材のテーブルやソファと組み合わせることで、天然素材どうしが調和した温かみのある空間に。RAMでは「テキスタイルは無垢材と掛け合わせることで、他にはない上質な空間を生む」という考え方を大切にしています。

 

 


  グリーンのギャッベとオルタナソファのリビングコーディネート
 
グリーンのギャッベが空間をやさしく彩る

 

 

和モダン空間のアクセントに

 

 

意外に思われるかもしれませんが、ギャッベは和の空間とも好相性です。草木染めの自然な色合いが、無垢材の家具や掛け軸のある和モダン空間に馴染みます。赤いギャッベを敷けば、空間の主役として存在感を発揮しながらも温かみのある雰囲気に仕上がります。

 

 


  和モダンのリビングに赤いギャッベを敷いたコーディネート。浮世絵と掛け軸のある空間
 
和モダン空間に映える赤いギャッベ

 

 

本物のギャッベを選ぶために

 

 

近年、「ギャッベ風」と呼ばれる機械織りの製品も多く出回っています。手織りの本物と機械織りのコピーを見分けるポイントは、裏面の結び目です。本物のギャッベは裏面にも結び目が見え、糊で固定されていません。

 

 

RAMのギャッベ専門店「GABBEH SHOP MUSUBI」では、世界的に評価の高いブランド「ゾランヴァリ」のギャッベを中心に、厳選された本物のギャッベを常時150枚以上展示しています。

 

 

遠方の方やお忙しい方は、商品ページからお問い合わせいただけます。ご希望のサイズ感やお部屋の雰囲気などをお知らせいただければ、スタッフが最適な一枚をご提案いたします。

 

 

 

 


    

 

気になる家具は、東京・品川の店舗で実物をご覧いただけます。

無垢材の質感や座り心地を確かめてから、サイズ・素材を自由にオーダー。専門スタッフが無料でご相談を承ります。

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