「ギャッベって、どうやってお手入れすればいいの?」
手織りのギャッベは、一枚一枚職人の手で織り上げられた特別なラグ。だからこそ「洗っていいのか」「掃除機をかけても大丈夫か」と迷う方は少なくありません。結論から言えば、ギャッベのお手入れは難しくありません。もちろん専門業者による定期的なクリーニングをお勧めしますが、日常的なケアはご家庭でも行えます。
この記事では、創業100年の家具専門店RAM(ルームアート松井)が、ギャッベを長く美しく使い続けるためのお手入れ方法を解説します。
ギャッベに使われるウール(羊毛)には、「ラノリン」という天然の油脂が含まれています。このラノリンが繊維の表面を薄くコーティングしているため、飲み物をこぼしても最初は表面で弾いてくれます。
ラノリンは羊の皮脂腺から分泌される天然のワックスです。化学繊維のラグにはない、ウールならではの特性があります。
上質なギャッベほどウールの品質が高く、ラノリンも豊富に含まれています。つまり、良いギャッベを選ぶこと自体が、お手入れを楽にする第一歩です。

化学繊維のラグは静電気でホコリを吸着しやすく、汚れが繊維に絡みつきやすい性質があります。一方、ウール製のギャッベは静電気が起きにくく、掃除機で簡単にホコリを吸い取れます。
ギャッベの日常ケアは、週に1〜2回の掃除機がけだけで十分です。特別な道具や洗剤は必要ありません。
掃除機は毛並みに沿ってゆっくりかけるのがポイントです。毛並みに逆らうと繊維が傷む原因になります。

良かれと思ってやってしまいがちなNG行為があります。以下は絶対に避けてください。
コーヒーやワインをこぼしても、すぐに対処すればシミにはなりません。大切なのは「こすらない」ことです。

どんな汚れでも、まずこの3ステップで応急処置してください。素早く正しい手順で対処すれば、多くの場合、シミになるのを防ぐことができます。
ステップ1:吸い取る
乾いたタオルや布を汚れの上にそっと置き、手のひらで上からしっかり押し当てて水分を吸い取ります。ここで絶対にやってはいけないのが「こする」ことです。こすると汚れがウールの繊維の奥に押し込まれ、落ちにくいシミになってしまいます。
タオルが湿ったら、乾いた面に折り替えてもう一度押し当てます。水分がタオルに移らなくなるまで繰り返してください。量が多い場合は、タオルを2〜3枚用意しておくと安心です。

ステップ2:水拭きする
水分を吸い取ったら、次は水拭きで汚れを薄めていきます。布を水に浸し、しっかり固く絞ってください。水がポタポタ落ちる状態では、ギャッベに水分が染み込みすぎてしまいます。
拭く方向は「汚れの外側から内側に向かって」が鉄則です。内側から外に向かって拭くと、汚れが広がってシミが大きくなります。軽い力で、一方向にやさしく拭き取ってください。

ステップ3:乾かす
汚れを拭き取ったら、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。ドライヤーや直射日光は厳禁です。ドライヤーの熱はウール繊維を傷め、直射日光は草木染めの色を褪せさせてしまいます。
裏面も湿っている場合は、椅子や物干し竿にかけて表裏ともに空気が通るようにしてください。季節にもよりますが、完全に乾くまで半日〜1日ほどかかることがあります。生乾きのまま床に戻すとカビの原因になるため、しっかり乾いたことを確認してから敷き直しましょう。

お湯は使わないでください。タンパク質を含む汚れ(牛乳・血液など)はお湯で固まってしまいます。必ず水か常温の液体で対処してください。
自分で対処しきれない汚れが残った場合は、無理にこすらず、専門のクリーニングに相談するのが安心です。
ギャッベを買ったばかりの時期に多いのが、「毛がたくさん抜ける」「ウール独特の臭いが気になる」という声です。どちらも品質に問題があるわけではなく、ウール製品として自然な現象です。
遊び毛とは、製造工程でギャッベの毛足の中に残った短い繊維が、使用するうちに表面に出てくる現象です。不良品ではありません。

ウール特有の臭いの正体は、ラノリン(天然の油脂)です。品質の高いギャッベほど臭いは少ない傾向がありますが、湿度の高い日本の夏は気になることがあります。
使い続けるうちに臭いは自然と和らいでいきます。

日常のお手入れだけでは落としきれない汚れが蓄積したら、専門のクリーニングを検討する時期です。目安は3〜5年に一度。ペットや小さなお子さんがいるご家庭では、1〜2年に一度のペースでも良いでしょう。

ギャッベは手織りのウール製品です。一般的なクリーニング店にお願いしたところ、化学繊維のカーペットと同じ方法で洗われてしまい、縮んでしまった・色が落ちてしまったというケースは少なくありません。ギャッベの草木染めは化学染料とは性質が異なるため、洗剤の選定や水温の管理を誤ると取り返しのつかないダメージになることもあります。
だからこそ、ギャッベのクリーニングはギャッベを熟知した専門家に任せるのが安心です。RAMのオリジナルブランド「MUSUBI」では、ギャッベ専門のクリーニングサービスを提供しています。
ギャッベマイスターが在籍し、常時150枚以上のギャッベを扱うRAMだからこそ、素材や染料の特性を理解した上でのクリーニングが可能です。専用機での除塵後、水洗い・温水洗浄・手作業ブラッシングなど、汚れの状態に合わせた3つのプランから選べます。全プランに抗菌ライト照射が付いているので、ダニや雑菌の対策も同時にできます。

ギャッベを一年中快適に使い続けるためには、季節に合わせたケアが効果的です。

梅雨〜夏はウール製品にとって最も注意が必要な季節です。湿気が多いとダニが発生しやすくなります。
冬場はウール本来の保温性を発揮する季節です。乾燥と静電気に注意すれば、快適に過ごせます。
季節で使い分ける場合は、正しい方法で保管することが大切です。

ギャッベは正しいお手入れを続けることで、使い込むほど色に深みが増し、ウールに艶が生まれます。世代を超えて受け継げる一枚だからこそ、日頃のちょっとしたケアが大切です。汚れが気になったときや、しばらくクリーニングしていないという方は、専門のクリーニングサービスをご活用ください。